無垢の一枚板で創る手作り家具ならMASAKI工房(石川県小松市)

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2007年08月12日

ログハウスには無垢の家具を

P1010088.JPG昨日は納品が一件。
納品場所はなんとお客様の別荘!
しかもログハウス!憧れですよ、あ・こ・が・れ!
中も見せていただけると言うのでワクワク気分で出かけた・・・

お客様は小松市のお住まいのNさま。

6月の中頃だったか、ご連絡いただいて

「無垢の一枚板のテーブルを捜しているんだけど、何か良いものある?」とNさま

「あります、あります。いろいろあるので、ぜひ一度工房に遊びに来てください」と僕

そんなやり取りの末、2,3日してから工房に来て頂いてお話を聞くことになった。
(その時は数日後に起こる板との死闘は誰も予想がつかなかった)

「じつは○○(地名ね)にログハウスを建てているんだけど、そこに置くローテーブルが欲しいんですよ」

とおっしゃる。

「ログハウス!いいですねぇ。それでしたらちょっと形の面白い一枚板とかどうでしょう?」

「そう、そう。なにかいいのある?」

そんな話をしながら二人で工房の板を物色する。

「あっ、これいいねぇ。これで作ってよ」とNさま

Nさまが目を付けたのは、3年ほど前に市場で購入したケヤキの一枚板。
二股になっていて形が面白い。

ただ、普通のリビングにはけっこうワイルド感があるのか、これまで加工されずに残っていたもの。

「なるほど、これだったらログハウスにも似合うかも」と私

それがこの板
keyakiF.jpgこれでローテーブルを作り、静かなログハウスで奥様や友人たちと楽しい夜を過ごしていただけたら・・・
素敵な想像が頭をよぎる。

しかし、この写真では一見素直な板が、まさか牙を向くとは・・・

正直なところ、ローテーブルは天板を加工して、脚を取り付ければ出来上がり。
こう書いてしまうと見も蓋もないのだが、まず天板を計ってみてびびった。
じっさい「あっ、やばいかも・・・」と思った。

何がって、反りがひどい。
しかも単純な反りではなく、ねじれもあり
「どうや!これでも削れるか?」って位に挑戦的。

しかしここで板に負けては無垢の家具工房の名がすたる。

「まぁ、そうあせるな。いま黙れせてやるからな」

そう心の中でつぶやきながら、おもむろに電気ガンナを取り出す。

その後はひたすら削る・削る・削る・・・
時々、あちこちの厚みを計る。
また削る・削る・削る・・・
定規を当てて反りの無くなり具合を確認する。
で、また削る・削る・削る・・・

「まだ、ぜんぜんじゃん。思ったより手ごわいな・・・」
「くそっ、この赤み堅ってぇ・・・」
「うわっ、逆目出てしもた!」

汗が噴き出す。
舞い上がった木屑が汗まみれの体にまとわりつく。
仕舞いには汗と木屑が目にも入る・・・

泣きそう・・・

そんな死闘が約1週間。
ついに家具工房に勝利の旗が翻った。

天板として通用するくらいまで削れた板を前にして

「まぁ、これくらいで許してやろう」と私

「すみません。これからは気持ちを入れ替えて、立派なローテーブルになります」とケヤキ君。

家具作りは常に木との対話が重要だ。

後は裏っかえしにして、脚を取り付ける。
脚はタモの耳付きの角もんを使う。

ワイルドな板にはワイルドな脚だ。

「なかなかいい感じじゃん」
P1010073.JPGこんな感じ。

でやっと昨日の納品だ。

Nさまから頂いた地図を頼りに山道を走る。
山奥の集落を過ぎ、この先は何にもないかも、と思ったところに真新しいログハウスが見えた。

Nさまにも手伝っていただき、テーブルを運び込む。

「おおっ、ちょうどいいね」とNさま

「ホンと、いい感じですね」と私。P1010075.JPGP1010082.JPGログハウスにとっても似合っているでしょ。

P1010077.JPGP1010079.JPG

お盆休み最後の週末は、お友達家族もたくさん来て、完成パーティーがあるそうだ。
このテーブルを囲んでわいわいやって頂けると思うと、無性にうれしくなる。

Nさまは室内も案内して下さった。
ログハウスと言えどもキッチンからバス、冷蔵庫からエアコン、大型テレビまですべて完備されている。

(うらやましいなぁ、でもこんな場所あったら、嫁さんと喧嘩してもしばらく帰らなくてもいいかも)

などと不謹慎な事を考える。

「ケヤキのローテーブルよ、しっかり活躍するんだぞ。」
「ここではログハウス本体が主役だとしたら、君は準主役級なんだからな。」と私

「まかしとけって!」とケヤキ君

そんなことを言い聞かせながら、ログハウスを後にしました。

Nさま、本当にありがとうございました。
また素敵なログハウスに遊びに行かせて下さいね。


投稿者 masaki : 2007年08月12日 12:49

コメント

ご返事が遅れまして申し訳ない。ちょっとパソコンの調子が悪かったもので・・・。先日は暑い日差し中、遠いところまで配達に来てくれて本当にありがとう。あれから毎週末に別荘にて泊まっています。日中はまだ残暑が厳しいですが、夜になれば涼しい風も吹き、空気も澄んでて気持ちがいいですヨ。ただ夜中は真暗闇で静か過ぎて落ち着かないかも(谷川の流れの音しか聞こえません)。今度はかわいい奥さんと一緒に泊まりに来まっし。おいしいお酒と料理を用意しておくから。(ご自慢の座卓をみんなで囲みながらワイワイと)

投稿者 中   佳 忠 : 2007年09月19日 14:31

こんにちは。
ケヤキの一枚板と格闘される様子を読ませていただき、大変だったのだな~と思いました。

写真では、そのままテーブルにもいけそうな感じですが、反りがひどかったのですね。

ローテーブルの形が、なんだかグランドピアノにちょっと似ているなって思いました。

投稿者 ログ : 2007年10月01日 17:53