そんな話の中で僕が

「うちはお客様のご希望に合った家具を作る工房なんよ」と言うと、彼は

「そしたら、お客様はその希望する家具を手に入れる事によって、いったいどうなりたいんだろう？」と問いかける。

「ん～、そう言えば以前ご注文いただいたお客様が、製作途中の様子を見に来て、『いいなぁ、いいなぁ・・・このテーブルでお酒なんか飲んだりして・・・最高だろうなぁ。』と作りかけのテーブルを撫ぜながら話してくれた事があったわ」

「ってことは、お客様はテーブル作ってもらうことで癒しの時間を手に入れる、なんて考えられないか」

「確かにそれはそうだ。自分も作りながら、お客様には無垢の家具を使っていただくことで、少しでも安らかな気持ちだったり、あったかい気持ちだったり、幸せな気持ちになって欲しいなぁ、って考えとるしね」

「そう考えたら君の仕事はサービス業かもれないね」

普通に考えたら家具工房は紛れもなく製造業だ。
何かの書類に職種を書く場合は「木製家具製造販売」なんて書くことも多い。

しかしサービス業だと考えると、もっと想いは深くなるのじゃないか？

そんなことを考えさせられた一日でした。